今日のいも

あっちはひとりごと、そっちは建前、こっちは考察

証人喚問における推定無罪の原則?

今日はこれ

 

これを最初に読んだとき、?ってなった。一見正しそうだけど、何か論理が破綻してる気がする。

というわけでちょっと考えてみた。

 

「刑事訴追の可能性のため回答は控える」→事実だと認めるのと同じ、は不適切か?

とりあえずWikipedia

疑わしきは罰せず - Wikipedia

刑事訴訟法の原則っぽい。

証人喚問 - Wikipedia

証言拒否事由について。

 

というわけで、まずはそもそもとして概念の適用箇所を若干間違えてるのが1つ(モヤっとポイント)。

書いてあることとして、国会議員が「黙秘したら有罪」は危険、っていうのがあるけど、それは後で考える。

 

次に刑事訴追を理由に証言を拒否した場合にどのような状況が想定されるか。

議院証言法第4条のうち、認められているのは証人自身が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるとき。もしかしたら部下を、とか政権をかばおうとしてるとかあるかもしれないけど、拒否事由に入ってないので不当な証言拒否になる。

つまり刑事訴追を理由とした証言拒否をした場合は以下の2パターンしかない。

  1. 刑事訴追を受ける可能性があると思っている行為を、証人がした
  2. 正当な理由のない証言拒否

2のパターンは当然に否定される。普通の人なら理由もなく罰を受けようとは思わないはず(ドMどころの話じゃねーぞ)で、証人喚問の制度(というか国家)はその前提の上に成り立っている。もちろん真実は証人にしかわからないが、少なくとも現段階で疑うのは非合理的だ。

というわけで通常は1のパターンでしかありえない。つまり、少なくとも証人は違法な行為をした認識があることになる。

したがって、立憲民主くんのツイートは何ら間違っていない(間違ってたら理由教えて)。

 

国会議員の考え方として「危険」な面はあるか?

このツイート、パッと間違ってるのがわからなかったのは、たぶん刑事訴訟との前提の違いがある。

刑事訴訟は有罪無罪、量刑の判断という被告人の直接の利害関係がある。自分で自分の不利益になるようなことは言わなくていいってのは人類が生きていく上でのコンセンサスだと思うんだけど(嘘も方便とか言うし)、その原則を明文化して、ついでに拷問とかによる自白も防ぐために黙秘権って概念がある。

一方で証人喚問には通常利害関係が生じない。国会は証人を逮捕できないし、裁判もできなければ、(少なくとも法的には)影響を及ぼせる権限をほとんど持っていない。唯一政府との利害関係をもたらすのは司法が関わってきた時で、それが考慮されてる。他にもいろいろ不利益はあるかもしれないけど、まあ国権の最高機関が正しいことを知るメリットに比べれば些細なものだよね。

 

ここからは法律に詳しくない人の勝手な考えだけど、憲法でいうところの「公共の福祉」、つまり人権と人権の衝突を調整するための原理っていう概念がある。普段の生活では人権同士の衝突はありふれているはずだ。極端なところでは「私は他人を自由に殴る権利がある」、「我々には幸福追求権があるんだから給料を2倍にしろ」といったところだろうか。もちろんそんなのが認められることはなくて、結局ほかの人の利益を不当に害する自由はないからね、ってとこ。税金はどうなの、みたいな議論もあって、当然裁判所が結論を出してる。

じゃあ証人喚問はどうなのって話。まず大前提として証人喚問は国会の国政調査権に基づく行為で、憲法にも明文化されている。ぶっちゃけた話、国民の代表が集まった国会が話を聞かせろって言ってるんだからつべこべ言わずに行けよって思うじゃん。でも当然ながら、何でも無制限に話せとは言えない。特に刑事訴追を受けるというのは人権の中でも特に重要な身体の自由を奪う可能性がある。国会の知る権利 < 個人の身体の自由。当たり前。じゃあそれ以外はと言えば、まあ人権に関わる重大な事項はないよね。人権を制限するにしても、行政が法律に基づいた処分をするか、世間に怪しまれるとか、まあ大したことない(法的に超やばいところはない)。

もし疑わしきは罰するの考え方の政権が現れたら、って話だけど、身体の自由みたいな重大な人権に対する制限は行政単独ではできない(普通に違憲)。もし行政処分とかで疑わしきは罰するの考え方で違法な判断をしたとしても、行政は終審になれないのでどっかで司法の判断が入る。

行政の合法な行動であっても危険と言い得るかどうかは、ぶっちゃけ人や事案によって違う部分だと思う。

個人的な考えとしては、問われていることに答えない人間は、普通怪しまれるよねってとこ。刑事裁判においてさえ、裁判官の印象を悪くして量刑が重くなることだってある。民事裁判に至っては被告が出廷しなかったら原告の主張が全面的に認められる。

疑わしきは罰するは人間の一般的な感覚ですらあるんじゃないかと思える。合法である限り、政権のその考え方、行動を危険だと言い張るのはなかなか厳しいんじゃないか。

 

 

というわけで自分の考えは、立憲民主くんのツイートは何ら危険ではないってことです。というか司法の介入を待つ立法府とか普通に嫌なので、サッサと第三者委員会で真相解明を進めてくれ。